香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
大切な歯の神経を可能な限り残すための外科的アプローチと内科的アプローチ両方を使った虫歯治療をご紹介します。
歯の構造はこうなっている
上の図は歯の断面図です。この図のように、歯は大きく「エナメル質」「象牙質」「歯髄(神経)」の3層構造になっています。歯髄(神経)といわれる部位には、実は神経と一緒に血管(毛細血管)も入っており、この血管に血液が流れることで、歯の細胞に酸素や栄養がいきわたり、その歯は「生きて」います。「生きて」いる歯は、過剰な力に対してわずかに「たわむ」ことで緩衝して力を逃がしたり、象牙質がわずかずつでも再生することが出来るので、歯髄がない(神経を取られた)歯と比較して10倍くらい強度があります。歯の神経を取った歯は枯れ木のように健康な歯の10分の1程度の強度にまで落ちます。
虫歯の進行
虫歯はどのように進行するのでしょうか?虫歯は最初エナメル質内で進行し(CO~C1)次いで第2層の象牙質に侵攻し(C2)、その後歯髄にまで感染(C3)、歯の頭がボロボロになって、神経もすべて殺されると歯の根を伝って周囲の骨の中まで感染拡大が起こります。(C4)ここまで行くと、時に菌が全身にまで移行し心臓などといったところにまで悪影響を及ぼすこともあります。
一般的な歯科医院での虫歯治療
一般的な歯科医院で行われる従来の虫歯治療とは、「細菌に感染したところを大きく削り取る」という治療です。悪いところは全部取り除いてしまおうという「外科的な治療」です。虫歯が広がり、虫歯菌が「歯髄(神経)」まで進行してしまったら、「神経まで一緒に取り除いてしまう」という考え方のもと「神経を取る治療」を行います。これもまた外科的な処置です。こうすることで一時的に細菌は取り除かれますが、結果的に歯髄が失われた歯は強度が1/10程度にまで落ちてしまうため、噛む力などにより、将来的に折れる、割れるなどの2次的な破壊が起こるリスクがあります。歯を失う原因となる「歯根破折」は歯の神経を取った歯が原因で起こることがほとんどです。
吉本歯科医院の薬で治す虫歯治療
薬を使った虫歯治療は、必要最小限だけ歯を削り、その後残っている細菌を特殊な薬剤を用いて殺菌することで、かなり深い虫歯でも出来るだけ神経を取らずに治す、「外科的な治療」と「内科的な治療」両方を使った治療となります。歯を削る量を10分の1程度におさえるため為、ご自身の歯が多く残り、かつ神経を残すため歯の強度も保たれます。※C4レベルまで進んだ虫歯は、仮に神経が残せてもその後の被せ物などを取り付けることが出来ない為、やむを得ず神経を除去する場合があります。