香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
抜歯診断を受けたが、どうしても歯を抜きたくない
というご相談にお越し下さった患者さんの事例です。
初診にお越しになられるまでの経緯です。
奥歯の歯茎が腫れており、できものができて違和感があり
かかりつけの歯科医院を受診されたそうです。
レントゲン写真を撮影すると
診断は「歯に特に問題はない。疲れた時や体力が落ちている時には歯茎が腫れやすいのでそのせいでは?」
とのことでした。
その日はレーザー治療をしてレーザーを当てて白い膿を潰して出すという治療を受けました。
しかし、1週間過ぎても歯茎の腫れは引かずまた、
白い膿のようなできものが口の中にできました。
同じくレーザーを当てて膿を出す治療を受けました。
抗生物質の薬も処方され、
これで歯茎の炎症が治まると思いますとのことでした。
しかし、その後、
何度も同じ状況が再発し1週間ごとに受診し合計7回のレーザーを当て
そのたびに膿を出す治療をうけました。
あまりにも症状がおさまらないとのことで
この方は歯科医院を変えました。
そして次に受診した歯医者さんでもレントゲン写真を撮影しました。
診断は
「奥歯の歯が根っこの奥深くで折れています。
歯の神経を取る治療や歯を削り過ぎる治療を繰り返したため歯にヒビが入ってしまったのでしょう」
とのことでした。
そして「もうこの歯は抜歯するしか方法はありません」
と抜歯診断をお受けになったとのことです。
かかりつけの歯科医院には定期的に通って歯の掃除を繰り返してきました。
メインテナンスに通っているので歯は大丈夫と思い込んでいたので
「抜歯」という言葉にショックを受けてしまい
どうにか歯を抜かずに済む方法はないか?
また、反対側の歯もひょっとしたらいずれ抜歯しないといけないことが
起こるのではないか?
ご不安になられ吉本歯科医院にお越し下さいました。
実はこのような経緯で抜歯診断をお受けになり
「え?歯を抜かないといけない??」と驚かれる方は
非常に多くいらっしゃいます。
多くの方が
「私は定期的に歯医者さんで歯の掃除をしてもらっていたので
大丈夫だと思っていました」と、おっしゃいます。
それは
歯は力により破壊されるということが
あまりにも知られていないから、です。
抜歯になってしまう原因は
虫歯や歯周病だけでは
ありません。
歯を失う原因の第3位は「歯根破折」です。
歯が折れる、歯が割れる、歯にひびが入ったことにより
歯を抜かないといけないという状態にまでなってしまうのです。
歯の神経を取っている歯は非常に割れやすく折れやすくなっています。
この患者さんも抜歯となった歯は、過去に何度も歯を削る治療を繰り返していました。
歯は削れば削るほど歯の神経に近くなります。
歯の神経に近くなると、当然、痛みはじめます。
痛みが出たら「歯の神経を抜くしかありません」ということになり
根管治療(歯の神経を取る治療)を受けることになります。
歯の神経を取った歯の強度は一気に落ちます。
歯を失う悪循環の連鎖を一刻もはやく止めなくてはなりません。